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日本の肩関節外科の第一人者である故信原克哉先生の下、肩関節の診断から手術、またバイオメカニクス研究所では投球障害や動作解析など、非常に多くのことを勉強させていただきました。その経験を生かして箕面市立病院でも「肩関節外来」を開設し、診断、検査、治療、手術、リハビリテーションに至るまで、多くの患者さんの治療にあたってきました。 四十肩、五十肩だから様子見るしかないと言われたことはありませんか。四十肩・五十肩というのは原因不明の肩関節の炎症です。基本的には自然経過で良くなる病気ですので、確かに様子を見ていてもいずれ良くなることが多いです。しかし、その治療期間は1~2年かかると言われます。四十肩・五十肩には「疼痛期」→「拘縮期」→「回復期」の三つの病期に分けられます。この「拘縮期」に至る前の「疼痛期」に痛みをしっかり取ることで治療期間を短くすることができます。当院ではエコーを用いて肩関節の中にステロイドなどの注射をして、しっかりと効果を引き出します。さらにリハビリテーションを組み合わせることによってより効果的な治療を行います。
他には肩の筋肉、特にインナーマッスルと呼ばれる腱板という筋肉が断裂する「腱板断裂」があります。転倒し、手をついたときに断裂してしまうことや加齢変化で断裂することがあります。残念ながら切れてしまった腱板が自然にひっつくことはありません。完全に治すためには手術が必要になりますが、必ず手術しないといけないかというとそうではありません。断裂の大きさや痛みの程度、生活困難など実際に患者さまがどういうことがどの程度困っているのかを判断し、必要な場合に手術を選択します。多くは痛みで困ることが多いので、痛みを取る方法として、薬・リハビリ・注射などを組み合わせることによって痛みを抑えることは可能です。当院ではエコーを用いての注射(超音波インターベンション)やハイドロリリース、テンドンリリースなどを行なっています。 その他、肩関節が外れてしまう「肩関節脱臼」、軟骨が擦り減ってなくなってしまう「変形性関節症」、腱板に石灰が沈着してしまう「石灰沈着性腱炎」、野球やテニスなどのオーバーヘッドスポーツにおいて投球動作時に痛みを生じる「投球障害肩」など、肩が痛いといっても様々あります。お気軽にご相談ください。